▶︎空海の真言密教「三密・ 六大・四曼」とは?
真言密教のみが「心の宝蔵を開く」とした空海。真言密教の教理の中核は「三密・ 六大・四曼」に要約されています。ではその「三密と六大・四曼」とは一体なんなのでしょうか。
三密
1、「意密」=精神的活動です。
・大日如来の心
・行者の瞑想
・三昧耶曼荼羅と対応
宇宙の精神的活動=意密=精神的働き=観想
2、「口密」=波動的活動です。
・大日如来の真実語
・行者の唱える真言
・法曼荼羅と対応
宇宙の波動的活動=口密=言語的働き=真言
3、「身密」=物質的活動です。
・大日如来の体の動き
・行者が結ぶ印
・大曼荼羅と対応
宇宙の精神的活動=身密=精神的働き=印(忍者が忍法とか言う時の手の動きに似ています。)
上記3つで、願望を達成する為の奥義(メソッドmethod)である「三密」となります。
六大
空海の「六大」とは、森羅万象をあらしめている最も根源的な本体を指し、「地・水・火・風・空・識」の6つの「種」でいい表します。これらが大日如来となり、宇宙や世界となり、人間となります。この宇宙に存在するもので「六大」以外のものはないというのが、仏教の奥義、真言密教の思想です。
六大…… 地 ・ 水 ・ 火 ・ 風 ・ 空 ・ 識
性質…… 堅 ・湿 ・煖 ・動・無礙 ・了別
四曼荼羅
万物の本体は前述の「六大」です。しかし、知覚されるのはその形です。「六大」は、何らかの形となって現れます。その相を、空海は「四曼荼羅」という言葉で表現していました。この「四曼荼羅」を通して、人は宇宙の象徴の一切を、「曼荼羅」という描かれたものの上に読み取ることができます。そして究極の「曼荼羅」は、世界そのもの、心そのものである、と『空海』は、語っています。密教修験者は、「阿字観」などにより、この「四曼荼羅」の瞑想を通じて、大宇宙の智慧に参入し悟りを開こうと修行します。
四曼荼羅=宇宙の現れ 相 大
❶宇宙の具体像の現………………大曼荼羅
そのままで、大日は大日のように、観音は観音のように現れます。その全体像を「大曼荼羅」といいます。
❷宇宙の個別象徴像の現れ…三昧耶曼荼羅
神仏の誓願を象徴する仏具(三昧耶)によって表します。これを「三昧耶曼荼羅」といいいます。
❸宇宙の波動像の現れ……………法曼荼羅
根源的なレベルまで抽象化された意味や働きなどを象徴する梵字(古代インドのサンスクリット語)を用いて表します。その全体像を「法曼荼羅」といいます。
❹全宇宙の姿そのもの …………羯磨曼荼羅
いかなる差別も区別もなく、生き生きと活動して止まない世界そのもので、「羯磨(カルマ=業)曼荼羅」といいます。そのカルマは万物を活動させ、形を与える原動力によって現出した世界そのものが、「仏の曼荼羅」の世界ということになります。
少し難しくなってしまいましたが、約1200年前に空海が、唐(中国)より、伝授された奥義が、いかに理論的で、宗教を超越した実践的な「智慧」「悟りの境地」で あったのか?は 少しでも ご理解頂けたと思います。少しでも、ご興味を 持って頂けたのであれば、是非とも、真言密教の聖地である高野山に、禅定を続けておられますお大師さま(空海)に会いに来て下さい。