▶︎「丸うさぎ」の良縁結び
良縁結びの願掛けの『丸うさぎ』とは、
丸い「紀州てまり」や「お手玉」の総称で、
うさぎさん(煩悩、欲望)が自分勝手に飛び跳ねたりしないように、
不動明王の左手の紐で、手足をくくられて丸くなり動けない姿を表したものです。
●全体運⇒月(ツキ)を運んでくれるから(う さぎは月のつかい)
●知識運⇒耳が長い、つまり情報が早く耳に入る
●飛躍運⇒ぴょんぴょん飛び跳ねるから
●結婚運・家庭運⇒縁をつなぐ動物だから
●子宝運⇒うさぎは多産の象徴
欲(煩悩)のままに飛び跳ね、動き回るうさぎの姿を人間の欲望にたとえて、
人間の心の中にある「欲望」が動かないように、
不動明王の左手の紐によってくくりつけられています。
欲望は放っておくと止めどなく湧き出て心を曇らせ、不満や悩み事をつくる元になります。
そして願い事の成就を邪魔してしまいます。
その欲望の心を不動明王に右手の剣で、悪縁を切り、
不動明王の後ろのカルラ炎で、悪い心を燃やしてしまい、
洗心不動明王に、悪縁、クサレ縁を洗い流していただくことで
良い出逢い・良縁が舞い込むようになります。
願望成就の御利益を授かるために、
「丸うさぎ」を隣の「加持祈祷所」に奉納して、
護摩行の後に如意輪観音堂に自身で吊るしてみてください。
和歌山の「紀州てまり」
「紀州てまり」は、空海の時代となる平安時代より「神殿まり」として姫君たちに愛され伝承されてきた和歌山の伝統工芸品です。その後江戸時代となり、紀州徳川家五十五万五千石の殿中で、女官たちがお城の姫君のために作り始めたのが現代まで広まりました。
「紀州てまりと殿様」で歌われる和歌山県下のてまりは遠く約1300年前より作られてきたと伝えられております。
この手まりは昔から結婚のお祝いに送る習慣があります。「いつまでも丸く美しく納まるように」と嫁入り道具の一つとして使われたり、お祝い事でのプレゼントなどに使われます。円満な家庭を築き、丸々とした二世の誕生を祈念する縁起物です。
一つを作るのに100時間以上もの時間をかけて、和歌山の「おばあ様」の伝統の手法は、今でも受け継がれ、伝統を生かしながら、現在風のセンスを加味したものとなり、贈り物や飾りとして大切にされています。
その古くなった「紀州てまり」を洗心不動尊千光寺に奉納し、ご先祖を敬う事から、今の「丸うさぎ」信仰につながったと伝えられております。