1. HOME
  2. 千光寺について
  3. ▶︎ある日の千光寺

▶︎ある日の千光寺

千光寺の境内に、私(玄津)がおりましたところ、
大日如来尊に祈願されていた年配の女性が、突然こうおっしゃいました。

「私は、枚方(大阪府)から来ておりますが、大変なので、あそこ(河津桜の横の古井戸があり、海の見える場所)に宿坊を建てて下さい」

お話をまとめると…
ご亭主に先立たれ、子供も身寄りも無い。つまり自分が他界しても、墓守りもいない。
寂しさから開放されるのは、唯一白浜の水晶山にあらせられる大慈眼観音菩薩さまに手を合わせている時。
しかし足が悪い為、枚方から電車で来るのはおつらいため、今お住いのおうちを寄進するので、売却したお金で宿坊を建てて 、その宿坊で大慈眼観音さまと一緒に暮らし ながら余生を楽しみたい、というご要望でした。

私は
「実は私は、このような 出で立ち(作務衣でした)ですが、千光寺総本山の管長なのです。おばあさまのお気持ちを受け止め、必ずあそこに”空海の宿坊”を、来年の3月21日お大師さまの日には、完成させて頂く事を、大日如来尊の前で御約束させて下さい」と申し上げました。

白浜温泉の水晶山の洗心不動尊千光寺リニューアル工事が後わずかで完了するという日のことでした。また新たな「宿坊を建てる」というお務めが、本日決定してしまいました。有難いお仕事です。

宿坊、宿房(しゅくぼう)とは、主に仏教寺院などで僧侶や参拝者のために作られた宿泊施設です。僧侶専用の施設は僧房ともいいます。
本来は僧侶や参拝者のみに特化した宿泊施設でした。
しかし江戸時代になると、お伊勢参りや金毘羅参り、善光寺詣でが大衆化したために、各地の大寺社には宿坊が整備され、一般の参詣者や観光客を泊めるようになりました。特定の地域と特定の宿坊が結びつくなど、一種の観光事業を形成するようになりました。

現在では一般観光客も積極的に受け入れる施設も増加し、それに伴い設備やサービスの拡充の傾向が見られます。高野山宿坊などでは上質さを競う傾向も見られ、比較的安価な宿泊料金で精進料理を味わえたり、天然温泉を引いた露天風呂を併設する寺院もあります。運営者も僧侶から寺院周辺の半僧半俗の経営者(御師)に移っていきました。

一方、四国八十八箇所の多くの寺院では、巡礼者のための宿坊を直接営んでいます。ほとんどの宿坊では、宿泊者に対して朝のお勤めとして住職の講話などを行っているが任意参加の形式の所が多いのです。

一部の宗派の包括的総本山、または本山となっている寺院の宿坊を兼ねている寺院では、その包括的宗派に所属する僧侶・信徒のみが利用可であるものもあり、そのような宿坊では、所属寺院から発行される証書を持っていることが宿泊許可の条件とされるケースもあります。

千光寺宿坊も天然温泉を引き込み温泉湯治施設を兼ねる計画です。

千光寺について

千光寺について一覧